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カラー版 難民キャンプの子どもたち (岩波新書)

田沼 武能
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カラー版 難民キャンプの子どもたち (岩波新書)の詳細
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  • 出版社:岩波書店
カラー版 難民キャンプの子どもたち (岩波新書)のカスタマーレビュー

「教育用写真集として」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2008-02-13

 ルビがあるわけではないが、死体やイラクの放射線被害児のような直視をはばかられるほどの悲惨な写真は無いので、小中学生など被写体と同世代の子どもたちへの教材としてお勧めしたい。
 環境破壊が旱魃や砂漠化を誘発し、ODAなるヒモ付き円借款が本来の意味で現地の人々を救うことにならず、何より広義の難民を殆ど拒否している日本で、「関係の無い遠い国の話」と思っていられようか。
 家財道具や家を持たず、テント暮らしの難民キャンプの方が、原住民より恵まれた生活であったり、性奴隷や使い捨ての人間凶器として使われる子ども兵(『子ども兵の戦争』に詳しい)など、貧困のみならず先進国として日本が取り組まねばならぬが放置し続けている問題が見えてくる。
 

「それでも、ただ、まっすぐと。」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2005-09-29

子どもたちの眼を見てください。

ただ、まっすぐと前を見ています。

例えどんなにつらい状況でも、生きることをやめない力強さがあります。

国が国を食らう時代、人が人を食らう時代、
常に犠牲になっている子どもたち。

そんな子どもたちの現実はこの本の中に納められていました。

「難民児童のリアルな表情描写」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2005-04-29

 語弊があるかもしれないが、難民は人類が生み出した人類の負の遺産と言うべき存在である。難民発生には、国内紛争や飢餓・旱魃といった様々な諸要因が挙げられるが、結局は人間の私利私欲によって悪循環の中に生まれた、生まれるべきでない悪の産物である。人間というものは醜悪な部分(野性)を持ち合わせているからこそ、そしてその対極的で崇高な部分(理性)を持つ存在であるからこそ、決して難民というものを生ませてはならないはずである。

 さて私の個人的意見を挿入させてもらったが、著者田沼氏は写真家ということもあり、難民の子どもたちの表情を個性豊かにそして適確に写し出すことが大変上手い。自らの境遇を悟ってか哀愁の表情を浮かべる子ども。道具がないなりにも試行錯誤をし無邪気に笑顔を振り撒く子ども。栄養失調のため極度に痩せ細りそれでも必死に生きようとする子ども。読者たちに直接訴えかけてくるそんな子どもたちの表情には、感傷の念と共に貧困とはなんなんだ、ということを真剣に考えさせられる。

 先述したが田沼氏は写真家であるが故に、文章というよりも写真で表現しようとする傾向が強いように感じる。この著書は書籍というよりも写真集の類に文章が付加されている、と言った方がいいかもしれない。大量の写真のレイアウトにより読みにくい部分があるかもしれないが、しかし子どもたちの表情をリアルに写し出した素晴しい著書である。田沼氏の難民発生を許してはならないという想い。子どもたちの平和を願う想い。それぞれの切実な想いがこの著書の随所に表れている。私はそんな想いの詰まったこの著書を是非お薦めしたい。